データ取得とは?SaaS自動化における意味をわかりやすく解説
データ取得とは(SaaS自動化における意味)
SaaS間の自動化におけるデータ取得は、後続の処理に必要な情報を連携元のシステムなどから取り出す工程です。
例えば、別のSaaSから顧客情報や注文の明細を取得し、その内容をもとにデータ登録や通知などの処理を行います。必要な情報をそろえておくことで、後続のフローをスムーズに進められます。
注意したいのは、トリガー(開始条件)とデータ取得は役割が異なることです。トリガーがフローを開始するきっかけなのに対して、データ取得は処理に必要な情報を集める工程です。不要なデータまで取得すると処理負荷や情報管理のリスクが増えるため、必要な項目に絞ることが大切です。
自動化フローの中での役割
データ取得は、トリガーの後や条件分岐の前など、後続の処理に情報が必要な場面で使われます。例えば、トリガーから顧客IDだけを受け取った場合に、そのIDを使って顧客名や契約内容などの詳細を取得する方法があります。
取得方法にはいくつかの種類があります。代表的なものは次の3つです。
- 単一取得(ルックアップ):IDなどのキーを指定して、特定のレコードを取得する方法です。
- 一覧取得:検索条件などを指定して、複数のレコードをまとめて取得する方法です。
- 差分取得:前回の取得以降に追加・更新されたデータなど、変更分を取得する方法です。更新日時や取得位置などを基準にします。
必要なデータの量や目的に合わせて取得方法を選ぶことが大切です。また、取得したデータの書式をそろえたり、不要な項目を除外したりすることもあります。こうした処理を組み合わせると、後続のデータマッピングや条件分岐を設定しやすくなります。
まずは利用するSaaSや連携基盤の公式資料で、どのような取得方法に対応しているか確認しましょう。テスト用のデータを使って少数のレコードを取得し、後続の処理へ正しく渡せるか試してみると全体の流れを把握しやすくなります。
よくある利用シーン
営業の商談が成立したことを知らせる通知やイベントを受け取ったら、CRMの商談IDを使って請求先情報と品目の明細を取得するフローです。顧客情報は単一取得で取り出し、複数の明細行は一覧取得でまとめて取得します。そのデータを使って請求書の下書きを作成し、内容の確認や送付へ進めます。
サポートで新しいチケットが作成されたときに、チケット番号や顧客IDをもとに契約プランやSLA(サービスレベル合意)に関する情報を取得するフローです。契約内容や対応条件を確認し、その情報をもとに優先度を設定できます。契約情報に変更があった場合は、更新日時などを基準に差分取得する構成も考えられます。
注意点
データ取得を安定して運用するには、取得する項目や件数だけでなく、更新や再実行時の動きも考えておく必要があります。
- 取得項目を絞る:後続の処理で使う項目だけを取得します。不要なデータまで大量に取得すると処理時間が増えたり、情報管理の負担が大きくなったりします。
- 上限と分割取得に配慮する:APIには、リクエスト回数や取得件数などの制限が設けられている場合があります。大量のデータを扱うときは、ページネーション(分割取得)などを利用して複数回に分けて取得します。
- 重複や取りこぼしに備える:差分取得では、更新日時や連番などの基準と前回の取得位置を管理します。同じ時刻に複数のデータが更新された場合や処理中にエラーが発生した場合も考慮し、必要に応じて取得範囲に余裕を持たせるなどの対策を行います。
- 形式や時刻をそろえる:日時や数値の表記はSaaSによって異なる場合があります。タイムゾーンも確認し、後続の処理で比較しやすい形式に整えておきましょう。
- 個人情報の取得を最小限にする:業務に必要な項目だけを取得し、保存先や閲覧権限も適切に設定します。取得したデータをログに残す場合も、個人情報が必要以上に記録されないよう注意しましょう。
関連用語
- トリガー:フローを開始するきっかけとなるイベントや条件です。トリガーで受け取った情報を使って、追加のデータ取得を行うことがあります。
- アクション:フローの中で実行する処理です。データの取得や作成、更新、通知などが含まれます。
- ルックアップ(照合):IDなどのキーを使って対象のレコードを検索・取得する方法です。特定の顧客や注文の詳細を取得するときに利用します。
- ページネーション:大量のデータを複数のページや単位に分けて取得する仕組みです。APIの取得件数制限などに対応するときに使われます。
- データマッピング:取得したデータの項目を連携先の項目に対応付ける設定です。SaaS間で情報を正しく受け渡すために利用します。
よくある質問
データ取得とトリガーはどう違いますか?
トリガーは「いつフローを開始するか」を決めるきっかけです。一方のデータ取得は、フローの中で後続の処理に必要な情報を取り出す工程です。例えば、顧客の新規登録をトリガーにして、その後に顧客の契約情報を取得する構成が考えられます。
取得の頻度はどのくらいが適切ですか?
必要な情報の鮮度や業務の緊急性、APIの利用制限などを考慮して決めます。すぐに情報を反映したい場合はイベント通知を利用し、定期的な確認で十分な場合は一定間隔で取得する方法があります。取得頻度を高くしすぎるとAPIの上限に達する可能性もあるため、実際の利用状況を確認しながら調整しましょう。
個人情報を含むデータを取得する場合の注意点は?
業務に必要な情報だけを取得し、閲覧できる人や保存期間を適切に管理しましょう。取得したデータを別のSaaSへ渡す場合も、連携先での取り扱いやアクセス権限を確認する必要があります。ログに記録する情報も必要な範囲に絞り、個人情報が不用意に残らないようにしましょう。